この部屋

好きなこと日々のことを詰め合わせ。

曇る眼鏡。

アルバイトの面接に行ったのだけれども、帰り道で死にそうに気分が滅入った。

 

 

イベント系のアルバイト求人を見つけたので応募したのだが、この会社は芸能事務所も兼任していたらしい。

面接を行ったのは、オフィスの中にある撮影スタジオ、の横の事務所スペース。
面接の相手はモデル風の美人と、業界人っぽいおっさん。
それと向かい合う、ど平凡なわたし。

 

隣の撮影スタジオからは、ノリの良い音楽とともにシャッターを切る音がする。
業界っぽいおっさんが名刺を渡してくれた。

美人が質問を投げかけてくる。


質問に応え、話し始めるわたし。
そこで何故か曇る わたしの眼鏡。
(寒いところから、暖房直下にくると温度差で眼鏡が曇りやすいのだ)

 

この眼鏡のせいで恥ずかしくて死ぬかと思った。

なんで今日に限ってコンタクトにしなかったんだ自分!!!!

 

あまり綺麗ではない人間は、かけている眼鏡が曇ると、気持ち悪さが増す気がする。
逃げ恥の平匡さんのように、なにか料理をしていて眼鏡が曇るならば、萌えポイントだが、オフィスのなかで眼鏡が曇った女なんか、気持ち悪さしかない。
うわーーこいつ湯気あがってるwwって思われてもしゃーない。

 

 

この撮影スタジオの隣なんていう慣れない空間に困惑しているのに、相手は超美人。(見た目はギャル系だけども、びっくりするくらい細くて可愛い。もしかしたらモデルなのかもしれない)

ここ数日 とある事情で見た目コンプレックスに苛まれていた自分には、この美人を相手に、曇った眼鏡をかけて話しをすることは大層つらかった。

 

見た目の綺麗な人が苦手、というのは、非綺麗な人の過剰な被害妄想だとは思う。
しょーじき、相手はそんなことどーでもいいし気にしてないだろ、とは思う。
だけども、こっちとしてはどこか値踏みされて足元を見られているような気分になって、すごく居心地が悪い。

 

美人の隣にいる業界っぽいおっさんは、全くイケメンではないけれど、どこか軽薄そうに美人に話しかける様子がわたしを少しイラつかせた。
あわよくばこの美人と寝ようと思ってるか、もう寝たんだろうなー、、という感じをプンプンに匂わせていた。

(あとで思うと完全に不細工の僻みである。)

 

おそらく面接自体は滞りなく進んでいたと思う。

だけどこの場の雰囲気と、曇るメガネが、わたしの劣等感をつついた。

もし受かったとしても、うまくやっていく自信があまりない。
うだうだと居心地の悪さを反芻する帰り道は、滲み出す涙を我慢することで精一杯だった。

 

 

ここまで容姿のことで凹んだのは久しぶりかもしれない。見た目コンプレックスを抱えていたところに、ぴったりのタイミングでこの面接。

日頃気にしていなかった自分の弱い部分が、露見した。

 

この眼鏡が曇らなければ、もう少しはマシな気分だったろうになぁ。

そう考えると帰りに眼鏡の曇り止めを買わずにはいられなかった。

 

あと、大切な席では、眼鏡ではなくコンタクトをつけることを心に誓った。